【東京の色099】 ジャパンタクシーの深藍(こいあい)

CBN東京の色 099 ジャパンタクシーの深藍(こいあい) DICカラーデザイン㈱ 川村雅徳



CBNの企画「東京の色100」は、2020年東京オリンピック開催決定を機に始まった。こうした時代様相の反映として、ジャパンタクシーの深藍(こいあい)は欠かすことのできない色だ。競争社会において、同業他社との差別化はビジネスの基本だ。タクシー業界にしてみれば自社性をアピールできる車体のカラーリングは、差別化戦略の一つであろう。そうした背景もあって、日本のタクシー乗り場は雑多な色が集積する場であった。自社対他社という競争軸で考えれば致し方ないことでもある。
しかしこの競争軸を、日本対世界にすることで別の展開を生み出せる。東京オリンピックを機に、海外からの来訪者、国内に住むすべての人々に、日本の美意識の一端をアピールすること。そう切り替えることで、ジャパンタクシーの深藍は、タクシー業界が横串でつながって取り組める日本の色彩景観づくり活動になれたのであろう。
一つのプロダクトが景観づくりにも貢献する例は希で、それを評価され(一社)日本流行色協会が主催するオートカラーアウォード2018では特別賞を受賞している。
明治時代に来日したイギリスの化学者アトキンソンや小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、着物やのれんなど、日本を彩った藍色を見て「ジャパンブルー」と称したというが、果たして、ジャパンタクシーの深藍も「ジャパンブルー」として記憶されるのだろうか。少なくともそのフォーマルな色の印象は、真摯さ、思慮深さ、細やかな気遣い等といった日本人気質と共に、人々の記憶の中に生涯残っていくことになるに違いない。
●マンセル値 8.0PB 1.9/0.5
●NOCS 8PB-0.5-16.2

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