【東京の色069】公衆電話の黄緑



【東京の色069】公衆電話の黄緑 / カラーコーディネーター 大倉素子

公衆電話の歴史は、1900年:明治33年に遡ります。上野・新橋の駅構内に設置され、次いで、京橋のたもとに最初の電話BOXが建てられました。その後、型式・形状・大きさ・色彩の変遷を経ながら、現在に至ります。色彩では、赤、青、ピンク、黄、黄緑、ライトグレーなどが、時代とともに移り変わってきました。私の家から然程遠くない医療機関には、今でもピンク色の公衆電話があり、昭和時代へのノスタルジーを感じることがあります。
時を経て、携帯電話やスマートフォンの普及した現在は、街角の公衆電話の数が普及以前より少なくなっているように感じます。数十年前には、公衆電話から電話をかけたい人が、電話BOXの外に並んでいる光景が見られましたが、最近では、公衆電話を利用している人の姿を滅多に見ることができなくなりました。そのような最中、2011年3月に東日本大震災が発生し、広い地域で平時より携帯電話やスマートフォンが繋がりにくくなり、改めて災害時の公衆電話の繋がり易さと役割が注目されました。現在は数種類の公衆電話が設置されていますが、その中の黄緑色のタイプは、適度に目を惹く新鮮で若々しいイメージの色彩です。

●マンセル値:7.5GY 7/8
●NOCS : 7.5GY-7.4-1.0

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【CBNカラーサロン】5月26[金]のコンテンツご紹介!

5月26日(金)のCBNカラーサロンのコンテンツご紹介です。



#1

 「都市の景観を変えるカラーコンクリート(仮題)」
ランクセス㈱  小林裕徳氏



開催概要

◇日 時 : 5月26日(金)
◇会 場 : 日本ファッション協会会議室
◇参加費 : 1,000円(当日徴収)



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第62回CBNカラーサロンを開催しました

カラービジネスネットワーク(CBN)は、2017年3月24日(金)の18:30から62回目になる「カラーサロン」を開催しました。

 今回のカラーサロンは、3月恒例となった武蔵野美術大学基礎デザイン学科の卒業制作発表とあって、吉田慎悟指導教授のもとに、3人の学生が早めに集合して、準備に取り掛かりました。画面の立ち上げ等の最後の確認を行ったところで、学生を交えての早めの乾杯を行い、カラーサロンが早々に開始されました。

 19時を過ぎて、適度に舌が潤ったところで、卒業制作発表に移ります。




#1

一番に登場した基礎D卒業生の疋田さんは、会話のCODE化の試みについて、漫才における言葉のやり取り(ボケと突っ込み・・・?)、を題材に大きなボード作品を制作。1980年にブレークした“Wビート”の相互コミュニケーションの視覚化をスタートに、時代が下がった漫才のCODE/パターンとの違いを会話の組み立ての構造に求めていました。デザイン発想の領域を広げるアプローチとして興味深い作品でした。


#2

二番手の和田さんは、都市環境に適応する架空の生物を創造し、その生物をモチーフにした戯画を描きました。現代都市生活を皮肉にとらえて、平安後期の先端的グラフィック表現である戯画風にまとめた、とてもしゃれたグラフィック作品となっていました。



#3

最後に発表した清野さんは、廃材を薄く削って着色し、それを積層することで出来上がった木質ブロックをマカロン形態に削りだすという、大変手の込んだ作品を、それも大量に披露してくれました。
見た目の可愛らしさに加えて、木質の手触りと重さが、個々の作品を魅力あるものにしていました。


今回発表された3作品は、既成概念に縛られない新鮮な発想と、社会人には望むべくもない膨大な仕事量に裏付けされた、いかにも学生らしい作品となっていました。

発表終了後は、学生や先輩の別なく、杯を交わしあう時間が流れて行きました。

 プレゼンテーション終了後は、プレゼンターのお二人を囲んで、いつものように熱い議論に花が咲きました。(参加15名)



次回カラーサロンは、5月26日(金)を予定しています。
4月のカラーサロンは、2日に「東京の色/神楽坂視察」として実施されました。

CBN事務局

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【東京の色068】鳩居堂



【東京の色068】鳩居堂 / 谷口 明美

この匂い!懐かしい。
子どもの頃、よく母に連れられて来た。店に入ると、お香や墨の匂いが満ちている。
母は知人の「おつかいもの」に、鳩居堂のお線香を買っていた。「おつかいもの」という言葉、今ではあまり使われなくなった。贈答品、プレゼント、ギフトいった表現に比べると、差し上げる方への、あらたまった、それでいて、暖かい気持ちが感じられる。
子どもだった私は、当然お線香には興味はない。でも、この店に来るのが楽しみだった。お目あては、色とりどりの千代紙。鮮やかな発色、美しい模様、箔押し。クルクル丸めた千代紙がずらりと並んでいて、ワクワク、気持ちがときめいた。近所の文房具屋さんで売っているのとは、「格」が違う。子供心にもそう感じたものだ。
千代紙で作った小物入れ、紙人形、ポチ袋、絵葉書…女子にはたまらない鳩居堂ワールド。今でも、この店に入るとあのときと同じようにときめく。
創業は、1663年(寛文3年)。京都寺町、本能寺の門前に薬種商として開業。
1880年明治13年、宮中の御用を務めるために、開設した東京出張所が、銀座のこの場所。今のビルに改装されたのは1982年。外壁は、和を感じさせる深い臙脂色。そういえば改装前の建物も、やはりこの色だった。和光をはじめとする、モダンなグレーの建物が多い銀座の街に、このクラッシックで重厚な色は、しっかりと存在感を漂わせる。
2016年路線価日本一。31年間も連続1位だ。ハガキ1枚分で、47万4千円!
この店に両足で立つと、およそ100万円とは。やはり、「格」が違う。

●マンセル値 5R 3/2.2
●NOCS :5R-1.7-13.0
参考:http://www.kyukyodo.co.jp/index.html

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【東京の色067】松本家住宅母屋



【東京の色067】松本家住宅母屋 / 色彩計画家 吉田愼悟

神田多町通りに面した角地に在る松本家住宅母屋は、平成12年に国の登録有形文化財に指定されている。この建物は木造三階建、切妻で、正面は出桁造りの構えとなっている。多町にはかつて青物市場があり、松本家はこの家屋を店舗兼住宅として使っていたようだ。最近では神田辺りも建替えが進み、明るい外壁のビルディングが多くなってきたが、多町界隈には松本家住宅母屋の他にも歴史を感じさせる住宅や料理屋が残されており、落ち着いた雰囲気が漂っている。戦前までは東京のまち並みは、現代よりもずっと明度が低い落ち着いた色調で揃っていたのだろう。松本家住宅母屋の外壁は、下見板張りであり、木材のために適度な斑があるが、その中心色は7.5YR 4/2あたりであった。正面に回って古めかしい立派な桁の色を測ってみると、北面の下見板張りよりも退色していて低彩度になり、明度も落ちた7.5YR 3/1という値が得られた。明るく清潔なイメージを求めて、東京はオフホワイトの外壁が多くなったが、低層で落ち着きのある色調で揃った木造のまち並みも残してほしい。

●マンセル値 : 7.5YR 3/1  7.5YR 4/2
●NOCS : 7.5YR-1-13.8  7.5YR-1.9-11.6

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